コンパッショントレーナーは、主にコンパッション・マインド・トレーニング(CMT)の考え方と実践を伝え、一人ひとりが自分自身に思いやりを向ける力を育てていく過程を支える人です。

脳や心の仕組みを理解する「知恵」、苦しみから目をそらさず向き合う「強さ」、そして苦しみを和らげるために行動しようとする「あたたかな意欲」を、関わりの土台にしています。

心のトレーニングを支える存在

コンパッション・マインド・トレーニングは、脳や心の仕組みを知るだけでなく、呼吸法やイメージワークなどの実践を通して、コンパッションを少しずつ身につけていくためのトレーニングです。

コンパッショントレーナーは、理論や技法を一方的に伝えるのではなく、その人の状態やペースに合わせながら、実践を支えていきます。

たとえば、次のようなことを行います。

  • 脳や感情の仕組みを、日常生活と結びつけながら分かりやすく伝える
  • 心地よい呼吸やイメージワークなど、科学的な知見に基づく練習を紹介する
  • うまくできないときにも自分を責めず、続けられる方法を一緒に考える
  • 技法だけでなく、自分や他者に向き合う姿勢そのものを大切にする

コンパッションは、特別な人だけが持つ性質ではありません。練習を重ねることで、誰の中にも育てていくことができる力です。

安心して立ち止まれる場をつくる

自分の痛みや弱さと向き合うことは、簡単ではありません。

ときには、自分を責める声が強くなったり、これまで避けてきた感情が現れたりすることもあります。そのようなときに、無理に前向きになろうとしたり、苦しみを急いで消そうとしたりする必要はありません。

コンパッショントレーナーは、その人の経験や感情を否定せず、なぜそのような反応が起きるのかを、脳や心理の仕組みとともに丁寧に見ていきます。

安心して立ち止まり、自分の内側で起きていることに気づける場をつくることも、コンパッショントレーナーの大切な役割です。

共に学び続ける実践者

コンパッショントレーナーは、何でもできる完璧な人でも、いつも穏やかでいられる人でもありません。

トレーナー自身も、ほかの人と同じように、不安や怒り、自己批判などを経験します。だからこそ、知識を伝えるだけでなく、自分自身も日々コンパッションを実践し、その難しさを含めて学び続けることを大切にしています。

同じ人間として、それぞれの「扱いにくい脳」と向き合いながら、共に練習を続けていく存在でありたいと考えています。

コンパッションの3つの資質を大切にします

コンパッショントレーナーは、参加される方が自分の中に育てようとしている「コンパッション・セルフ」の考え方を、トレーナー自身の関わりにも生かしていきます。

その土台となるのが、次の3つの資質です。

知恵(Wisdom)

人の心や脳がどのように働くのかを理解し、苦しみをその人の性格や努力不足だけの問題にしないことを大切にします。

その人が何を経験し、どのような状況の中で生きてきたのかにも目を向けながら、苦しみが生まれる背景を一緒に理解していきます。

強さ(Strength)

悲しみ、不安、怒り、恥、自己批判などのつらい感情から、すぐに目をそらしたり、無理に消そうとしたりせず、丁寧に向き合う姿勢を大切にします。

ここでいう強さとは、感情を抑え込むことではありません。苦しさがあることを認めながら、その人のペースで向き合っていくための勇気です。

思いやりある意欲(Caring Commitment)

苦しみを理解するだけで終わらず、それを少しでも和らげるために、何ができるのかを考え、行動しようとする姿勢です。

その人自身のウェルビーイングと選択を尊重しながら、自分らしく生きていくために役立つ方法を、ともに探していきます。

コンパッショントレーナーも、これらの資質をすでに完全に身につけた存在ではありません。私たち自身も、日々の生活や人との関わりの中で、学び、実践し続けています。

※コンパッショントレーナーはエンパティ・コンサルティングの登録商標です
(登録第6359486号)